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「考える」って何だろう?(前編)

「人間は考える葦(あし)である」

哲学者パスカルの有名な発言です。高校の世界史や倫理で学習した人も多いでしょう。まだ学習していない人のために説明すると、「人間は自然の中で最も弱い葦(あし=水辺に生える植物の一種)にすぎない。しかし、その無力さを自覚し、考えることができるからこそ人間は偉大で尊いのだ」という意味です。

人間のアイデンティティともいえる「考える」という行為ですが、日常生活では、「ちゃんと考えなさい!」とか「自分の頭で考えなさい!」とか言われたことがある人が多いのではないでしょうか。

「考える」には2つのタイプがあると考えられます。その2つとは、「分析」「創造」

例えば、「美味しいラーメンを作りたい!」というとき、「動物系と魚介系のダシがしっかり出ていたら美味しい」「麺とスープがしっかり絡むと旨味を感じやすい」と考えるのが「分析」。多くのサラリーマンや、法律、経済アナリストなどの仕事では、この「分析」が主に必要となるでしょう。

それに対して「スープのダシにサバ節を使ってみたらどうだろう?」「あの店みたいに、海苔はのせたいなぁ」とアイディアを出すのが「創造」。シンガーソングライターや小説家、お笑い芸人やYouTuberなどにも、主にこの「創造」が求められるでしょう。

生きていくうえでどちらも必要なことですが、学習ではこの2つは分けて考えるべきだと思います。

この2つの「考える」のうち、学習や受験勉強で真っ先に求められるのは「分析」です。入試問題にはさまざまな問題があります。しかし、国・数・理は、ほとんどが「論理的に分析、表現する問題」です。英語社会は、単語や文法、歴史背景などの知識を思い出すだけで解ける問題もありますが、半分以上は知識を活用したり文章を分析的に読んだりして解く問題です。普段のテスト勉強でも「手っ取り早く点数がとれるから」と社会や理科の語句の暗記ばかり頑張っていませんか? それではいつまで経っても分析力はつきません。確かに、分析するためには必要な知識もありますが、それを覚えるだけではダメです。ですから、受験勉強では英・数・国の3教科から決して目を背けてはいけません。英・数・国に苦手意識がある人は多いですが、それならば、普段その教科に費やしている勉強時間の、倍以上の勉強時間を割くべきです。

それでは、「考える」から目を背けずに向き合うには、どうすればいいでしょうか?

後編へ続きます ☞


by 酒田事務局・今野先生

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