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【コラム:山本】「鬼滅の英訳!?」(2021.6.14)

突然ですが…次の英文を訳してください。

 

① I can’t believe it !

 

② What an ugly mess !

 

③ How could this be ?

 

 

 

正解は、全て同じ「よもや、よもやだ!」です。そう!昨年爆発的にヒットし、今も興行収入の記録を更新し続けている映画『鬼滅の刃~無限列車~』に登場する【炎柱 煉獄杏寿郎】の名台詞です。

 

 

①は、映画公開の予告編に訳されたものです。「よもや」は「まさか、信じられない」という意味ですので、① I can’t believe it!(信じられない!)は、意味的には正しい訳と思います。

 

 

②は、吹替版で使用されたものです。(何と)What [冠詞]an (具格好な、見苦しい)ungly (へまな、どうしようもないやつ)mess ! 「なんて(俺は)どうしようもないやつなんだ!」となり、①よりも話の流れに相応しいような気がします。あくまでも私見です。

 

 

③は、字幕版で使われた用法です。これは仮定法過去のcouldで、今事実として(これ)thisという状況があって、 (これ)は、今の状況のほかに(どのように)how(なることが)be(可能だろうか)could? →(いや他になりようがない)という反語的な表現になります。「これは、ほかにどうにかなるのか?(ならないよ。なんでこうなったんだ?」となり、より煉獄さんらしさが伝わるように感じます。勿論…個人の感想です。

 

 

日本語でも独特な響きの「よもや」を使うことで、ぐっと魅力を醸し出した煉獄杏寿郎さん、そして多くの人々を魅了した鬼滅の刃。その台詞1つでまさかこんなにも学びがあるとは…「よもや、よもやだ!」

 

 

プロ教師:山本一人

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