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故事成語の世界へようこそ (五十二) 髀肉の嘆(ひにくのたん)
本日は「髀肉の嘆(ひにくのたん)」という故事成語をご紹介しますね。
また難しい漢字が入っていますので、まずは漢字解説からいきましょう。
「髀(ひ)」は漢字の右側が音を表す形声文字です。
辞書によると、「足のひざから上の部分」「もも」を指す漢字であるようです。
そして「嘆(たん)」は「嘆く(なげく)」という漢字ですね。
これらを使って「髀肉の嘆」を説明してみると、
「髀(もも)に肉がついてしまったことを嘆くこと」となります。
紀元前のこと。中国には魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)という三つの国がありました。
魏は卑弥呼が使いを送ったあの国ですね。
そして今回登場する人物に関係するのは、蜀です。
蜀の初代皇帝は劉備(りゅうび)という人物で、彼は「水魚の交わり」の故事にも登場しています。
劉備は皇帝になる以前、ある時期、劉表(りゅうひょう)という人のもとに身を寄せます。
その時期には大きな戦いには参加することはなかったようで、
ある時、厠(トイレ)に行った劉備は、自分のももに肉がついているのを見て、
悲しみ、涙を流したそうです。
厠から戻ってきた劉備が泣いているので、劉表がその理由をたずねると、
劉備はこう答えました。
「私は以前はその身がずっと馬上にあり、戦いに身を置いていたので、ももの肉は消えていた。
しかし今は馬に乗ることもなく、ももに肉がついてしまった。
月日ははやく過ぎてゆき、老いがまさにやってこようとしている。
それなのに私は功績も立てられていない。」と。
劉備の悲しみは、単にももに無駄な肉がついたことが原因ではなく、
戦いから離れ、功績を立てることもなく日々を過ごしてしまっていることから来ていたのですね。
このように、「功名を立てたり、手腕を発揮する機会がなくて、むなしく時を過ごすのを嘆くこと」を「髀肉の嘆」といいます。
その無念さを嘆いている様子は、「髀肉の嘆をかこつ」と表現することも合わせて覚えておきましょう。
本日の故事成語:髀肉の嘆(ひにくのたん)…功名を立てたり、手腕を発揮する機会がなくて、むなしく時を過ごすのを嘆くこと
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