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山形県高校生の就職内定率68.2%―2025年9月末時点、過去10年で2番目の高水準も県外流出が課題
2025年11月25日、山形労働局が発表した2026年春卒業予定の高校生の就職状況によると、9月末時点の就職内定率は68.2%と、過去10年間で2022年に次いで2番目に高い数字となりました。一方で、県外内定者が前年比14.1%増と大きく増加しており、県内内定者は1.4%減少しています。高い就職率の裏で進む若者の県外流出という課題が浮き彫りになった調査結果です。
今回わかったこと―山形県高校生の就職状況(2025年9月末時点)
山形労働局の調査から、2026年春卒業予定の高校生の就職状況について、以下の数字が明らかになりました。
主な数値
- 求人数:5425人(前年同期比3.4%減)
- 求職者数:1806人(前年同期比0.5%増)
- 求人倍率:4.01倍(前年同期比0.03ポイント低下)
- 就職内定率:68.2%(前年同期比1.1ポイント上昇、過去10年で2番目の高さ)
県内・県外の内定状況
特筆すべきは、就職内定者の県内・県外の内訳です。
- 県内内定者:前年比1.4%減少
- 県外内定者:前年比14.1%増加
求人倍率4.01倍という数字は、求職者1人に対して約4社の求人があることを意味し、高校生にとっては選択肢が豊富な売り手市場が続いています。しかし、求人数の減少に伴い、求人倍率はわずかながら低下しました。
全国的な傾向と山形県の位置づけ
高校生の就職を巡る状況は、全国的にも活発です。山形県の状況を、他県と比較してみましょう。
| 項目 | 山形県の状況 | 全国的な傾向 |
|---|---|---|
| 就職内定率 | 68.2%(9月末) | 売り手市場が継続、多くの地域で高水準 |
| 求人倍率 | 4.01倍 | 全国平均も3倍台後半の高水準 |
| 県外流出 | 県外内定者14.1%増 | 地方部で共通の課題、特に若年女性の流出が顕著 |
全国的に見ても、高校生の就職市場は企業の採用意欲が高く、求職者にとって有利な状況が続いています。しかし、山形県を含む多くの地方部では、県外への人材流出が深刻な課題となっています。特に、東京都や大都市圏への就職を選ぶ高校生が増えており、地域の人口減少や労働力不足につながっています。
保護者にとっての意味―お子さんの進路選択への影響
今回の調査結果は、高校生の就職を控えたご家庭にとって、どのような意味を持つのでしょうか。
選択肢の広がり
- 豊富な求人:求人倍率4.01倍という数字は、お子さんが複数の企業から選べる状況を意味します
- 県外への選択肢:県外企業からの求人も増えており、地元だけでなく全国での就職機会が広がっています
- 早期の内定:9月末時点で約7割が内定を得ており、早めに進路が決まることで安心感が得られます
県外就職のメリットとデメリット
【メリット】
- より幅広いキャリアの可能性:大都市圏では、地方にはない業種や職種の選択肢があります
- 待遇面の向上:一般的に大都市圏の方が初任給や福利厚生が充実している傾向があります
- 自立と成長:親元を離れることで、生活面での自立心や社会性が育まれます
【デメリット】
- 生活コストの増加:一人暮らしに伴う家賃、光熱費、食費などの負担が発生します
- 家族との距離:親や兄弟姉妹、友人と離れることで、孤独感を感じる可能性があります
- 地域とのつながりの希薄化:将来的にUターンを考えても、地元企業との接点が少なくなります
- 緊急時の対応:病気やトラブルの際に、すぐに家族のサポートを受けにくくなります
地域への影響
県外流出の増加は、個々の家庭だけでなく、地域全体にも影響を及ぼします。
- 人口減少の加速:若者の流出は、地域の人口減少をさらに深刻化させます
- 地元企業の人手不足:県内企業が必要な人材を確保できず、事業継続に支障をきたす可能性があります
- 地域経済の縮小:若い世代の消費が減ることで、地域経済が停滞する懸念があります
進路選択で考えるべきポイント
お子さんが就職先を選ぶ際、保護者としてサポートできることがあります。
- 本人の意思を尊重する:県内・県外にかかわらず、お子さんが本当にやりたいことを優先しましょう
- 企業情報の収集:求人票だけでなく、企業の雰囲気や労働環境、将来性などを多角的に調べましょう
- 生活面のシミュレーション:県外就職の場合、家賃や生活費などを具体的に計算し、経済的に無理がないか確認しましょう
- 地元企業の魅力も再確認:県内にも優良企業は多くあります。先入観を持たず、地元企業の良さも見直してみましょう
- 将来のキャリアプラン:5年後、10年後にどうありたいかを一緒に考え、長期的な視点で判断しましょう
- Uターンの可能性:県外就職でも、将来的に地元に戻る選択肢があることを伝えましょう
まとめ―お子さんの未来を家族で考える
山形県の高校生就職状況は、高い内定率と豊富な選択肢という恵まれた環境にあります。一方で、県外流出の増加は地域の将来にとって大きな課題です。保護者の皆さまには、お子さんの希望を第一にしながらも、県内・県外それぞれのメリット・デメリットを冷静に見極め、お子さんが納得できる進路選択をサポートしていただきたいと思います。就職は人生の大きな転機です。家族でしっかりと話し合い、お子さんの未来を一緒に考えていきましょう。
📚 参考リンク
- 高校生の就職内定率68.2%(9月末時点)過去10年間で2番目に高い・県外内定者14.1%増 山形(さくらんぼテレビ)(アクセス日:2025-11-30)
- 山形労働局 公式サイト(アクセス日:2025-11-30)
- 2024年の高校生就職状況(KATEKYO学院山形)(アクセス日:2025-11-30)
※リンク先は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
◎『KATEKYO学院・山形県家庭教師協会』では、高校生の進路選択から就職試験対策まで、幅広くサポートしています。一般常識や面接対策、履歴書の書き方など、就職活動に必要なスキルを個別指導で丁寧に指導いたします。県内・県外を問わず、お子さんが希望する企業への就職を実現するため、プロ教師が全力でバックアップします。無料相談も随時受付中です。
担当:プロ教師 近江直樹



