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「新庄」はSinzyo?Shinjo?ローマ字ルールが約70年ぶりに変更へ。子供たちの学習はどう変わる?
いま、国の文化審議会で「ローマ字のつづり方」を約70年ぶりに見直す議論が進んでいます。これまで学校教育と実社会で使い方が異なっていたローマ字のルールが、ついに統一される方向です。
「学校で習った通りに書いたのに、駅の看板と違う…」そんな子供たちの混乱がついに解消されるかもしれません。今回は、この改定が山形県の子供たちの学習や生活にどう影響するのか、身近な地名を例にわかりやすく解説します。
結論:実用的な「ヘボン式」が標準になり、英語学習への接続がスムーズになります。
「し」は Si ではなく Shi へ。何が変わるの?
現在、小学校で習うローマ字は原則として「訓令式(くんれいしき)」です。これは日本語の五十音図(タ行、サ行など)の並びを規則正しく並べることを重視した日本の古いルールです。
一方で、道路標識、パスポート、駅名などは、英語の発音に近い「ヘボン式」が使われています。今回の改定案は、この社会で広く使われている「ヘボン式」を公的な標準にしようというものです。
山形の地名で見る「ズレ」の実態
実際に山形県内の地名を例に、学校(訓令式)と社会(ヘボン式)の違いを見てみましょう。これまでは、この2つの書き方が混在していました。
| 地名 | 学校で習う「訓令式」 | 社会で使う「ヘボン式」 (今後の標準へ) |
|---|---|---|
| 新庄(しんじょう) | Sinzyo / Simzyo | Shinjo |
| 鶴岡(つるおか) | Turuoka | Tsuruoka |
| 鳥海山(ちょうかい) | Tyokaisan | Chokaisan |
特に「新庄」のような「し(shi)」や「じ(ji)」、「鶴岡」の「つ(tsu)」は違いが顕著です。改定によって、駅の看板と同じつづりを学校でも正解として扱うようになれば、子供たちの「どっちで書けばいいの?」という疑問が解消されます。
「佐藤さん」の表記はどうなる?長音の悩み
もう一つ、保護者の皆様が気になるのが、山形県で最も多い名字「佐藤(さとう)」さんや「加藤(かとう)」さんのような、「音を伸ばす(長音)」表記ではないでしょうか。
これまでは以下の3パターンが乱立していました。
- 1. Sato(基本のヘボン式・長音記号なし)
- 2. Satoh(パスポートなどで許される表記)
- 3. Satou(パソコン入力・かな文字通り)
今回の見直し案でも、長音(ー)に関しては、基本的には「O」や「U」などの母音で表す方針ですが、パスポートで定着している「OH」などの表記も柔軟に認めていく姿勢が見られます。
完全に一つに決まるわけではありませんが、少なくとも「学校ではこう書かないとバツ!」という理不尽な厳しさは緩和されていくでしょう。
家庭学習へのメリットと注意点
この変更は、これから英語を学び始める小学生にとっては大きなメリットです。
英語の発音に近いヘボン式
英語圏の人に「Si」を見せると「スィ」と読まれてしまいます。「Shi(シ)」と習っておくことで、中学英語の発音学習へスムーズに入ることができます。
「富士山」も「Huzisan」より「Fujisan」の方が、世界中の人に正しく読んでもらえますよね。
タイピング練習は「柔軟」に
一点だけ注意が必要なのは、パソコンのキーボード入力です。
キーボードでは「Si」と打っても「Shi」と打っても、画面には「し」と表示されます。タイピングの速さを競うなら、打つ回数が少ない「Si」の方が有利な場合もあります。
ご家庭では「書くときはShi(ヘボン式)、パソコンで打つときはどっちでもOK」というように、目的によって使い分ける柔軟さを伝えてあげると良いでしょう。
📚 参考リンク・出典
- Yahoo!ニュース:ローマ字表記を約70年ぶりに改定へ
(TBS NEWS DIG・2025年12月確認) - 文化庁:改定ローマ字のつづり方(答申)概要
(公式資料 PDF) - KATEKYO学院 山形:教育ニュース一覧
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担当:プロ教師 近江直樹



