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【コラム:山本】「雪」(2021.2.12)

「もう雪…いらないですね。」今季は例年よりも積雪多く、また降雪の始まりも早く、除雪に大変骨を折りました。

そんな東北人の生活習慣でもある雪搔きをしながら、つい口ずさんでしまうのが「津軽には『七つの雪』が降るとか~♪」、岩手県出身の某有名な演歌歌手の歌です。(またまた歳がバレる(笑))ちょっと気になったので、太宰治の小説『津軽』にも綴られたこの『七つの雪』について、ちょっと調べてみました。

 

 

「東奥年鑑」(青森県で起きた1年間の出来事をまとめたもの)によると、昭和16年版には、①こなゆき(粉雪) ②つぶゆき(粒雪) ③わたゆき(綿雪) ④みづゆき(水雪) ⑤かたゆき(固雪) ⑥ざらめゆき(粗目雪) ⑦こほ(お)りゆき(氷雪)と記してあります。 

そして、この『七つの雪』は、昭和16年2月から4月にかけて、北海道択捉島にある気象測候所で「積雪の断面調査」が行われ、その結果を東北六県で協議し、この『七つの雪』が決まったそうです。[参照:「あおもりゆきだより」青森地方気象台が発刊している冬季限定広報誌]

 

 

また、公益社団法人日本雪氷学会では、「新雪、こしまり雪、しまり雪、ざらめ雪…」など9つに分類しています。

さらに厳密には、「降雪」と「積雪」で雪に関する名称が違うらしいのですが、今回はここまでとします。

 

実際に7種類の雪が降るのか、あるいはそれ以上なのか、いずれにしろ雪の多い東北地方ならではの素敵な表現であると思います。

同時に日本語のもつ情感の豊かさ、繊細さ、さらにはその土地々で育まれ、受け継がれてきた「言葉の多様性」を表しているとも言えるでしょう。

 

 

「多様性」を大切にすること、しいては「内面の多様性」の重要さを強く意識し、互いに受容できるよう努力を続けていくことが、昨今重要視されている「インクルージョン」の本質であり、コミュニケーションの質も意思決定のスピードも向上するのではないかと考えながら…今朝も雪掻きをするのでした。

 

 

プロ教師:山本一人

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