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増えている!?子どもの大脳前頭葉の問題について
〇はじめに
近年、日本の子どもたちのからだと心の健康に関する問題が注目されています。特に、大脳前頭葉の機能に関する問題が増加していることが報告されています。今回は、「子どものからだと心の全国的共同調査」に基づき、子どもに見られる大脳前頭葉の問題についてまとめます。
〇大脳前頭葉の役割
大脳前頭葉は、意思決定、集中力、感情の制御など、さまざまな高次機能を担っています。子どもたちの発達において、この部分の機能が正常に働くことは非常に重要です。
〇調査結果の概要
「子どものからだと心の全国的共同調査」(2018年実施)では、保育園児から中学生まで約4200名を対象に前頭葉機能検査(go/no-go課題)が行われました。この調査により、以下のような問題が明らかになりました。
1.不活発型の増加
調査開始当初の1969年と比較して、特に男子で「不活発型」の子どもの出現率が増加しています。このタイプの子どもは、物事に集中するのに必要な興奮の「強さ」と気持ちを抑えるのに必要な抑制の「強さ」がともに十分育っていないため、いつもそわそわして落ち着きがないという特徴があります。
2.抑制型の増加
自分の気持ちをうまく表現できない「抑制型」の子どもも増加しています。1969年の調査では一人も観察されなかったこのタイプの子どもが、近年ではどの年齢層でも1〜2割程度存在しています。
〇背景と原因
これらの問題の背景には、以下のような要因が考えられます。
・自律神経の乱れ
日本の子どもたちは、外界からの刺激に対して交感神経が過剰に反応しやすく、疲労をためやすい状態にあります。これにより、睡眠と覚醒の周期が乱れ、落ち着きがなくなることが報告されています。
・スクリーンタイムの増加
ゲームやスマートフォン、タブレットなどの使用時間が長い子どもたちは、前頭葉機能に影響を及ぼすことが確認されています。特に、ネット依存傾向の子どもは、加齢とともに増加し、中学3年生では約半数が依存傾向にあるとされています。
〇まとめ
子どもたちの大脳前頭葉の問題は、現代社会のさまざまな要因によって引き起こされています。これらの問題に対処するためには、子どもたちが健全に成長できる環境を整えることが重要です。具体的には、十分な睡眠時間の確保、適度な運動、スクリーンタイムの管理などが求められます。
子どもたちの未来のために、私たち大人ができることを考え、実践していくことが必要です。
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担当)プロ教師 近江直樹
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子どものからだと心がおかしい、大脳「前頭葉」機能の不活発が増えている理由 本来の意味での「子ども時代」がなくなっている | 東洋経済education×ICT