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大学の教職課程 “必要単位数” を約4割削減へ ― 教員不足解消と多様な人材確保を狙う制度改革

文部科学省は2027年の教育職員免許法改正を視野に、
大学で教員免許を取得する際に必要な教職課程の単位数を大幅に縮減する方針を固めました。
現行 59 単位以上(1 種免許状)→おおむね 35~39 単位 へ約 60% に圧縮する方向です。
背景にあるのは深刻化する教員不足と、教員志望者の裾野を広げたいという現場の声。
今回は中央教育審議会の議論を中心に、改革のポイントと今後の課題を整理します。

1. なぜ単位数を減らすのか

  • 教員不足 … 2024 年度の教員採用試験申込者はピーク比 6 割弱まで減少。
  • 履修負担の重さ … 専門授業+59 単位は「4 年で卒業・免許取得」が難しく、敬遠要因に。
  • 多様な専門性の確保 … 探究学習・STEAM 教育を担う異分野人材を呼び込みたい。

2. 見直しの具体像

中教審 教員養成部会の提言(2025/5)では、「必修科目を精選し 35~39 単位に」と明記。
ポイントは次の 4 つです。

  1. 必要単位数の縮減 … 1 種免許状=現行 59 単位→2 種相当 35~39 単位へ。
  2. 教養科目の合理化 … 憲法・体育・外国語・情報機器操作(計 8 単位)の必修を廃止。
  3. デジタル教材で学習機会を補完 … 廃止科目はオンデマンド教材で自学→成果確認へ切替え。
  4. 大学裁量の拡大 … 各大学が特色科目を+4~8 単位まで設定可。探究・ICT など現代課題に対応。

3. 期待される効果と懸念

【プラス】

  • 履修負担が減り、理系・芸術系など異分野学生の参入が期待。
  • 社会人リカレント層も免許取得がしやすくなり、地域の専門人材確保につながる。

【マイナス】

  • 単位減=質低下 との懸念。オンデマンド学習が形骸化しない仕組みが必要。
  • 大学による教育格差が拡大する可能性。第三者評価や上進研修で補完できるかが鍵。

4. 今後のスケジュール

2025~26 年度 中教審で制度設計・省令改正案を策定
2027 年通常国会 教育職員免許法改正案を提出・審議
2028~29 年度 大学がカリキュラム改編・教員組織見直し

単位数縮減は「量から質へ」の転換でもあります。
少ない必修+大学裁量+デジタル補完という新モデルが、教員不足解消と教育の質向上を
両立できるのか──。各大学・現場の創意工夫と国の質保証メカニズムに注目しましょう。

【引用資料】
・Yahoo!ニュース「教職課程の単位数縮減へ」

https://news.yahoo.co.jp/…

・日本教育新聞「教職課程 35単位程度に」

https://www.kyoiku-press.com/…

※掲載しているリンクには有効期限がある場合があります。正式決定事項は文部科学省の最新発表をご確認ください。


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◎山形県家庭教師協会では、教職志望の大学生向けに
学習指導・模擬授業サポートを実施中です。単位数縮減後のカリキュラム相談も
お気軽にお問い合わせください!
担当)プロ教師 近江直樹

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