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故事成語の世界へようこそ  (四十八) 枕を高くして寝る

今回は「枕を高くして寝る」という故事成語をご紹介します。

 

その昔、日本にも中国にも戦国時代という時代があり、戦いが多く起こっていました。

※ 日本の戦国時代は15世紀~16世紀頃、中国の戦国時代は紀元前5世紀~3世紀頃。

当時は敵襲があった際に敵が押し寄せてくる音にいち早く気付き対応できるよう、

枕をせずに床に耳をつけて寝たり、武具を枕代わりにして寝たりすることもあったそうです。

そんな状態では、安心してぐっすり眠るなんてなかなかできなかったでしょうね。

 

中国の戦国時代には、いくつもの国が相争っていました。

そんな中、張儀(ちょうぎ)という遊説家(ゆうぜいか)が、魏(ぎ)の王に秦(しん)と協力するよう説得を試みます。

※ 遊説家とは、各地を周り、自分の思想や政策を諸侯に提案した人々のこと。

「秦と魏が組めば、周りの楚や韓(かん)の国々はあえて魏に攻め込まないだろう。

楚や韓に攻められる心配がなくなれば、王は安心して枕を高くして眠れることでしょう。」

そう張儀は魏王に説いたのでした。

 

このエピソードにもあるように、「枕を高くして寝る」とは、

「心配事がなく、安心して眠ること」を意味しています。

「枕を高くして臥す(ふす)」「高枕(たかまくら)」という表現もありますので、

合わせて覚えておきましょう。

 

 

本日の故事成語枕を高くして寝る…心配事がなく、安心して眠ること。

 

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